指導変革の軌跡 熊本県立苓洋高校「進路意識向上」
熊本県立苓洋高校

熊本県立苓洋高校

普通科総合コースのほか、熊本県では唯一の水産系の学科である海洋開発科、水産食品科を擁す。缶詰製造、車エビやヒラメなどの養殖と種苗生産、航海実習、各種資格の取得などにも取り組んでいる。

設立●1941(昭和16)年

形態●全日制/普通科総合コース、海洋開発科、水産食品科/共学

生徒数(1学年)●約80名

05年度進路実績●崇城大、九州東海大、熊本学園大、尚絅短大、佐賀短大、東洋食品工業短大などに進学実績があるほか、サービス業、製造業、海運業など、高い就職実績を誇る。

所在地●熊本県天草郡苓北町富岡3757

TEL●0969-35-1155

WEB PAGE●http://www.higo.ed.
jp/sh/reiyoush/


前田典和

▲熊本県立苓洋高校

前田典和

Maeda Norikazu

教職歴8年目。苓洋高校に赴任して5年目。数学科担当。進路指導主事。「苓洋のため、生徒のためにやるだけです」

上村弘臣

▲熊本県立苓洋高校

上村弘臣

Uemura Hiroomi

教職歴8年目。苓洋高校に赴任して5年目。国語科担当。進路指導部。「進路指導では妥協しないがモットーです」

金子隆博

▲熊本県立苓洋高校

金子隆博

Kaneko Takahiro

教職歴7年目。苓洋高校に赴任して4年目。数学科担当。進路指導部。「生徒にも仕事にも謙虚に臨んでいます」

※本文中のプロフィールはすべて取材時(06年3月)のものです
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡65


熊本県立苓洋(れいよう)高校 「進路意識向上」

校内検定の進化・発展で生徒の進路意識を高める

● 実践のポイント
校内検定は、小学校レベルの基礎から始め、生徒に達成感を体験させる
「検定学習帖」で出題範囲をあらかじめ提示し、学習習慣の定着に結び付ける
「級」「段」を具体的な進路と結び付けて生徒に示し、学習意欲を喚起させる

就職先からの厳しい声を厳粛に受け止めて対策

 「おたくの学校では生徒に何を教えているのですか。パーセントの計算もできないのでは、困ります」
  7年前まで、熊本県立苓洋高校には、卒業生の就職先からこんな苦情の電話がかかってくることが珍しくなかった。そればかりではない。そもそも、就職試験に合格できない生徒が多かった。何とか手を打たなければ……。危機感を募らせた苓洋高校は、改善に向けて動き始める。
  課題ははっきりしていた。学力を、それも基礎学力をつけさせること。就職試験に落ちるのも、就職先から苦情が来るのも、原因は明らかに学力不足。しかし、高校の授業に力を入れても、効果が上がるとは思えない。中学の学習内容を復習し、身に付けさせるために効果的な方法を取り入れることが必要だった。
  そもそも、日々の授業に前向きに取り組む生徒が少なかった。当然、家庭学習の習慣も身に付いていない。そんな生徒たちでも意欲を持って取り組むための仕掛けが求められたのだ。検討の結果、導き出された答えが「校内検定」の実施だった。


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