指導変革の軌跡 熊本県立苓洋高校「進路意識向上」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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独自の校内検定で学力をつけ、意欲も高める

 校内検定は、国語・数学・英語について小学校から高校までの学習内容を10級から8段に分け、それぞれの試験に合格すれば級が上がるシステムだ(図1)。特徴は三つある。

図1

(1)「基礎の基礎」から土台を築く
  図2は数学10級の問題だ。小学校低学年でも解けそうで、高校レベルとはあまりにもかけ離れている。数学だけではない。国語では小学校で習うような漢字、英語ではアルファベットを順番に書くなど、10級の問題は「基礎の基礎」とした。学力の土台をしっかりと築くには、一見簡単すぎるほどの内容から固めることが不可欠だ。また、生徒にとっては、たとえ小学校レベルの問題でも、「できた」という達成感が学習意欲の喚起にもつながると考えた。

▼図2 校内検定の問題見本(数学10級)
図2
校内検定の問題見本(数学10級) 数学の10級の問題は2桁の四則計算から。ほかの教科も小学校レベルの基礎的な問題からスタートする。生徒に達成感を味わってもらい、モチベーションへとつなげるためだ。

(2)「検定」制度が意欲を刺激
  勉強に限らず、目標が明確になるとやる気になる。段階を追って目標が高くなる校内検定のシステムは、意欲の持続にもつながった。アンケート結果で生徒の約80%が「校内検定は役に立っている」「校内検定は続けていく方がよい」と答えたことからも明らかだ(図3)。

▼図3 校内検定に関するアンケート結果
図3
学年が上がると、校内検定を肯定的に捉える生徒が増えている。校内検定を受けることで、その意義を実感しているのだろう。

(3)「検定学習帖」を学習のきっかけに
  校内検定は、入学時に手渡す「検定学習帖」から出題する。この冊子は、3教科の10級から8段までの学習内容をドリル形式でまとめたもので、生徒は自分の受検する教科・級(段)のページ(問題)を自分のペースで学習する。意欲を実際の学習という行動に結び付けることができる。


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