校内検定は、国語・数学・英語について小学校から高校までの学習内容を10級から8段に分け、それぞれの試験に合格すれば級が上がるシステムだ(図1)。特徴は三つある。
(1)「基礎の基礎」から土台を築く 図2は数学10級の問題だ。小学校低学年でも解けそうで、高校レベルとはあまりにもかけ離れている。数学だけではない。国語では小学校で習うような漢字、英語ではアルファベットを順番に書くなど、10級の問題は「基礎の基礎」とした。学力の土台をしっかりと築くには、一見簡単すぎるほどの内容から固めることが不可欠だ。また、生徒にとっては、たとえ小学校レベルの問題でも、「できた」という達成感が学習意欲の喚起にもつながると考えた。
(2)「検定」制度が意欲を刺激 勉強に限らず、目標が明確になるとやる気になる。段階を追って目標が高くなる校内検定のシステムは、意欲の持続にもつながった。アンケート結果で生徒の約80%が「校内検定は役に立っている」「校内検定は続けていく方がよい」と答えたことからも明らかだ(図3)。
(3)「検定学習帖」を学習のきっかけに 校内検定は、入学時に手渡す「検定学習帖」から出題する。この冊子は、3教科の10級から8段までの学習内容をドリル形式でまとめたもので、生徒は自分の受検する教科・級(段)のページ(問題)を自分のペースで学習する。意欲を実際の学習という行動に結び付けることができる。