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学習ノートや全国指標と関連付け、効果を高める
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進路指導部の前田典和先生、上村弘臣先生、金子隆博先生は、校内検定開始時には苓洋高校にまだ赴任していなかった。実施2年目に赴任した上村先生は、当時をこう振り返る。
「校内検定の実施1、2年目は、チャイムが鳴っても教室に入らず、ほかのクラスにいる生徒が何人もいたので、生徒に授業の一環としてやらせていた部分もありました。しかし、2年、3年と経つうちに学校全体が落ち着いてきて、生徒は校内検定に自主的に取り組むようになりました」
生徒が大きく変わった要因として、生活指導面を徹底させたことと共に、校内検定を通じて生徒たちの学習意欲が育まれたことも挙げられる。
実施6年目の今、生徒の姿は真剣そのものだ。今回の取材で検定中の全クラスを見学したが、皆、熱心に問題を解いていた(写真)。
「検定学習帖は、主要3教科はもちろん、理科や社会の基礎も盛り込まれています。これを1年目に先生方が一からつくったと知って驚きました。例えば、算数は、中学での指導経験がある数学教師を中心として小・中学生用の計算ドリルを参考に、国語は漢検ドリルを参考に作成したと聞いています」(前田先生)
校内検定の効果を実感し、その実現に邁進した教師の姿に触れた前田先生ら「第2世代」のメンバーによって、校内検定は更に深まっていく。 |
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毎週月曜日、終礼時に検定が行われる。自分の級の問題用紙が配られ、生徒は集中して問題に取り組む。
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(1)検定用の「学習ノート」の活用
検定対策の上で絶好の教材となる検定学習帖だが、当初は家庭学習で十分に活用されていなかった。そこで導入したのが「学習ノート」だ。
「学力向上には、自学自習が欠かせません。そこで、全員にノートを用意させ、自分が受ける級や段の問題を勉強し、毎日提出させるようにしたのです」(前田先生)
これにより、検定学習帖を使って自学自習をし、週1回の校内検定に挑むという学習サイクルが定着していった。学期末の全校集会では、校内検定で優秀な成績を上げた生徒を1クラス2名ほど表彰するが、学習ノートの提出などの努力も表彰の対象とした。得点だけでなくノートの提出でも評価されることが、生徒の意欲につながっている。更に、毎日提出を課すことで、「Aはここ数日提出していない」「Bはノートの字が汚かった」など、生徒の変化を知るツールになるといった効果も生まれた。
(2)校内検定と全国指標との関連付け
「検定に受かった」という達成感は、自信につながり、進路を前向きに考える姿勢を養う。それを更に発展させ、「4級に受かったら、大学にも進学できそう」といった具体的な将来像にも結び付けられないか。そんな発想から生まれたのが、「校内検定取得級と学習到達ゾーンとの関連」を表したグラフ(図4)だ。
これは、「進路マップ基礎力診断テスト」の成績結果から得られる学習到達ゾーン(*1)と校内検定の取得状況を合わせてグラフにしたもの。生徒は校内検定の成績から自分の学習到達ゾーンの目安を確認し、進路の可能性を知ることができる。
「例えば、『校内検定取得級の平均が7級以上ならD2以上の学力がある。D2なら就職したあとも仕事をする上で困らないよ』と、具体的に生徒を指導できます。生徒も将来を具体的に考えるきっかけとなり、また、校内検定の目標を見失っていた生徒にとっては、新たな目標の設定につながりました」(金子先生)
そのほか、例えば学習到達ゾーンに対して校内検定の結果が悪い生徒には真面目に努力しないタイプが多いことが分かり、「頑張ればもっと伸びるぞ」と声をかけるなど、予想しなかった使い方にもつながっている。 |
*1 全国最大規模の「進研模試」の全国偏差値に換算して、全国での位置付けを知るための新しい学力指標 |
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▼図4 校内検定取得級と学習到達ゾーンとの関連
各生徒の校内検定試験の取得状況を縦軸に、進路マップ基礎力診断テストの結果を横軸に設定。互いの成績に相関関係が見られたことで、診断テストを受けていない生徒でも、校内検定の結果から自分の学習到達ゾーンを予測し、進路の可能性を知ることができる。 |
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