文部科学省「教育課程編成・実施状況調査」(03年度)によると、「理解や習熟の程度に応じた指導」、いわゆる習熟度別授業を必修教科で実施する中学校は約7割に上り、「補充的な学習」と「発展的な学習」の両方を実施する学校は5割を超えている。また、ベネッセ教育研究開発センターによる「中学校の学習指導に関する実態調査」(04年度)によると、5割以上の教師が「5年前と比較して学力格差は広がっている」と答えており、元々幅広い学力層の子どもが集まる公立中学校で、更に学力格差が拡大しているという危機意識が感じられる。これが、習熟度別授業の増加をあと押しした要因の一つと言えるだろう。
事実、中学校では、学力不振の生徒に対する指導の充実がまず求められる。授業に遅れがちな生徒に対し、「基礎学力の定着」を徹底させることは、義務教育である中学校に課された大切な役割だからだ。
一方、学力の高い生徒たちのいわゆる「浮きこぼれ」を防ぐため、上位層の学力に合った発展的な内容の授業を実施することも求められている。この両者の生徒に対応するために、習熟度別授業を取り入れているのだ。
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