04年度の組織改編から2年。南陽高校では、教師の意識改革が進み、主任クラスの教師を軸にいきいきと仕事が回るようになった。こうした改革の気風は今も健在だ。06年度には「サイエンスリサーチ科」が新設されたが、コンセプトやカリキュラムなどは、NSPPの話し合いを基に地域特性を生かした形となった。
同科は、将来的に大学院に進学し、研究者や技術者の卵となる人材の育成を目的としている。南陽高校が位置しているのは、京都府南部の関西文化学術研究都市エリアであり、周囲には大学や企業の研究所が集中している。それらの施設と連携し、「施設見学会」「外部講師を招いた講義・実験」などを実施する予定だ。
「サイエンスリサーチ科についても、NSPPのメンバーで中学校や塾を訪問して説明しました。しかし、理系の学科は説明が非常に難しい。大学や研究所との連携を強調しすぎると『普段の勉強はきちんと指導してくれるのか』という不安を招くし、学習指導面の充実を強調すると、特別進学コースのようなイメージを持たれて『難しすぎるのではないか』と敬遠されます。この学科の魅力がどうすればうまく伝わるか、教師間で話し合いながら戦略を練りたいと思っています」(中西先生)
ミドルリーダーが中軸となって経営戦略を組み立て、実践する。それが南陽高校の学校経営の推進力となっている。
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