データ活用も盛んに行っている。特に改革初期には、教師に各種のデータを示すことで、教師の危機意識の共有を促していった。例えば、模試の他校比較や、過回・過年度の推移、大学入学志願者数や合格者数の推移など、目的に合わせてさまざまなデータが使われた。
90年代に入ると、入学者の偏差値は上昇しているが、大学合格者数の増加に結び付かないという課題が浮上した。そこで、図2のようなグラフを使い、「入り口の部分では頑張っているのだから、教育の中身を良くすれば、出口も向上するのではないか」といった課題を会議で提起し、授業改善への気運を高めていったのだ。若手教師から「教科の枠を越えて授業を見学し合おう」といった呼びかけが出始めたのもこのころのことだ。
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