03年度3月には県教委と宮城教育大との連携による「Sanuma授業塾」が実施された。中学校・高校関係者や佐沼高校学校評議員など、県内から多くの参加者を募り、公開授業分析会を行ったのである。この取り組みは、「進学支援プログラム」で培われた教師の熱意と、久力校長の改革意欲が融合を果たしたという意味で、改革の一つの到達点を示すものとなった。
「当初は『公開授業はもう少し研鑽を積んでから』といった反対意見もありました。しかし、綿密な実施計画を立て、なぜこの取り組みが必要なのかということを何度も説明しました。校内での会議だけでなく、若手や部長・主任との飲み会での議論も重ねました」(久力校長)
その結果、実施要項を発表した03年度1月には、職員会議の席上、教師からは「どうせやるなら150名は参加者を集めよう」「マスコミにも告知しよう」といった声が上がった。入試で多忙な時期にもかかわらず、教務部は率先して運営の中心を担った。体育科の教師は会場設計に知恵を出し、美術科の教師は校内のすべての絵を入れ替えた。少し背中を押されれば、どんな困難にも立ち向かう。そんな気概が、過去の改革を通して教師の間に醸成されていたのである。教師の熱意が実り、当日は150名を超える参加者が集まった(写真1)。
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