「これはいけるかもしれない」
社会人講師の話に熱心に耳を傾ける生徒たちの姿に、愛知県立犬山高校の教師たちは、確かな手応えを感じ取っていた。2001年2月、全学年対象に犬山高校で初めて社会人講師を招いてのキャリアガイダンスが開かれた。その名も「なるには講座」。各業界の第一線で活躍する人々を招き、その職業に就くための方法、仕事のやりがいや苦労などを語ってもらう進路行事だ。生徒は、各自の希望に応じて、デザインやマスコミ、教育・福祉、公務員などの講座を選び、社会人の生の声を聞いた。当時は進路指導主事を務め、現在では2学年主任を担当する木和田晋弘先生は、生徒たちの様子をこう振り返る。
「生徒たちは熱心に社会人講師の話に聞き入っていました。その目の輝きを見て、これだと思いました」
進路意識向上に向けた初めての試みの手応えは、新たな取り組みへの弾みとなった。
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