検討の結果、高大連携事業の柱として実施したのは「3R講座」だ。3Rとは、1年次の「リサーチ講座」、2年次の「リザーブ講座」、3年次の「リソリューション講座」の頭文字から付けた名前で、それぞれ夏休みの4日間で行う。生徒に進路を考えるきっかけをつくると共に、最終的にはコンピュータを駆使して、自分の選んだ研究テーマについて十分なプレゼンテーションができる状態にし、AO入試などに十分対応できるようにすることも狙いとしている。
3年間の流れは、次の通りだ。まず、1年次ではコンピュータのスキルを磨くと共に、コンピュータに関連した最先端の研究内容を知る。2年次では、1年次で調べた研究内容も含めて各自で追究したいテーマを模索。3年次では、2年次で考えた研究テーマについてその研究室で指導を受け、地域の個人商店と連携して、実際にコンピュータでチラシなどを作成する(図1)。
「大学の雰囲気を体験したことは、生徒にとって大きな刺激となりました。特に、2、3年生は大学院生から一対一で指導を受け、高校との違いを実感できたことが大きかったようです。大学進学という夢を描く生徒が増えたと思います」と、情報担当の和田紘枝先生は効果を実感したという。また、「リソリューション講座」では、学んだ知識を生かす喜びも体感できた。
「地元の豆腐店やケーキ店の方々に協力していただき、職場に密着するジョブ・シャドーイング(※2)の形で店舗運営の仕事を体験させました。労働の大変さを実感すると共に、自分たちが学んだことを生かし、コンピュータでチラシを作成したのです。理論と実践の両方を体験したことで、生徒にとって大きな自信につながったようです」(長谷川教頭)
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