このような学校の雰囲気の変化や地域連携の取り組みにより、犬山高校に対する地元の信頼感も高まっている。全入学生における犬山市内からの入学生の割合が、05年度の21.3%に対して、06年度は32.6%と大きく上昇したことは、その証といえるだろう。
しかし、一番の変化は、生徒の進路意識の向上だろう。大学進学希望は微増だが、「未定」と回答する生徒の割合は大きく減少した(図3)。また、05年度には「進路マップ 実力診断テスト」に挑戦した生徒も過去最多となり、全国で30番以内に入る好成績を残した生徒も現れたのである。
「生徒は目先にとらわれ、安易な方向に流れてしまう傾向があります。推薦入学を目指し、それが無理なら専門学校へ行こうと考えがちです。将来を深く考えない安易な進路選択をさせないためにも、生徒に必要なのは『もう少しの我慢』です。進路意識が向上してきた生徒たちが、より自分に合った夢を実現させるためには、そんな『我慢力』を身に付けさせることが、今後一層重要になっていくと思っています」(長谷川教頭)
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