―お二人の研究テーマを教えてください。
長坂 僕は、マウスを使って、胎児の脳のアポトーシスについて研究しています。胎児のときには、脳は成長期にあるわけだから、細胞も増える一方のはずですよね。ところが、実際にはマウスが誕生するまでに、約5割の脳細胞がアポトーシスで死んでいます。「一体なぜこんなことが起きているんだろう」というのが、僕が興味を持って取り組んでいることです。このメカニズムが解明されれば、将来的には脳の細胞死が原因で起きる病気の治療にも、何らかの形で役立てることができるかもしれないと思っています。
佐々木 僕が研究対象としているのはマクロファージです。マクロファージは死んだ細胞を補食するとき、ある物質を発してその細胞が死んでいることを確認するのですが、出される物質の種類が、体の部位によって異なるのです。なぜ部位によって物質を使い分けなくてはならないのか、その理由を探っています。
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