指導変革の軌跡 東京都・私立順天中学校・高校「学力向上」
東京都・私立 順天中学校・高校

東京都・私立
順天中学校・高校

2004年に創立170周年を迎えた共学の中高一貫校。「進学教育」「国際教育」「福祉教育」の3つを柱とし、高度な目標を実現するための学力と人格を形成し、英知を持って国際社会で活躍できる人材の育成を目指す。

設立●1834(天保5)年

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)●中高一貫生約80名、高入生約270名

06年度進路実績●国公立大には東京農工大、電気通信大、首都大学東京、埼玉大など計45名が合格。私立大には、早稲田大9名、上智大4名、明治大33名、法政大54名、東京理大23名など、延べ751名が合格。

住所●東京都北区王子本町1-17-13

TEL●03-3908-2966

WEB PAGE●http://www.junten.
ed.jp/


片倉敦

▲順天中学校・高校副教頭

片倉敦

Katakura Atsushi

教職歴28年目。順天中学校・高校に赴任して28年目。教務部長兼任。「新しいことに意欲的に取り組み、常に新風を吹き込みたい」

井上慶彦

▲順天中学校・高校

井上慶彦

Inoue Yoshihiko

教職歴21年目。順天中学校・高校に赴任して21年目。進路部長。「生きることに意欲的で、何事にもいきいきとした生徒を育てたい」

角田進

▲順天中学校・高校

角田進

Kakuta Susumu

教職歴19年目。順天中学校・高校に赴任して18年目。特活委員長。「生徒自身で考えられるよう、待つことも大切にしたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡70


東京都・私立 順天中学校・高校 「学力向上」

教科学習と総合的な学習の時間の両立で生徒の学びの質を転換

● 実践のポイント
独自のカリキュラムにより、教科学習と総合的な学習の時間の両立を図る
「繰り返し学習」「時間管理ノート」で学習のPDCAサイクルを定着させる
「テーマ研究」「グループコミュニケーション」で自己の進路を明確化

総合的な学習の時間の導入を機に学び方の転換を図る

 東京都北区にある順天中学校・高校は、私立の中高一貫校だ。1990年に女子校から共学となり、徹底した量対応で進学を重視するカリキュラムにシフトし、進学実績を伸ばしていった。しかし、補習などで学習量を増やしただけの対応では、教師が疲弊してしまう一方、生徒には飽きを生じさせ、進学実績の伸びは次第に頭打ちとなっていった。
  こうした停滞期からの切り替えを図る転機となったのは、02年度(高校は03年度)に始まった「総合的な学習の時間」(以下、総合学習)をきっかけとしたカリキュラムの改編だ。00年に総合学習の導入が決定されると、保護者はもちろん、社会全体がこの新しい授業の是非を論じ、私立校は教科学習重視か、総合学習を導入するかの二者択一を迫られていた。社会が揺れる中で、順天中学校・高校は「学び方を大切にして真の学力を育む」という教育理念を打ち出し、教科学習と総合学習の両方を重視したカリキュラムを編成したのだ。副教頭の片倉敦先生は当時をこう振り返る。
  「総合学習の導入により、カリキュラムの見直しが迫られる中、学校長が打ち出したのが『学び方を大切にする』という方針です。多くの私立校が『総合学習を行う、行わない』で二分していたときに、『カリキュラムを工夫することで、両立した教育は展開できる』と考えたことは画期的でした。本校にしかない特色になると、私たちは具現化に向けて議論を始めたのです」


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