カリキュラムの概念は図1となる。特徴は、英語、数学、国語を「系統学習」として授業時数をきちんと確保し、芸術、技術・家庭、保健・体育などの実技教科は「統合学習」と位置づけ、クロスカリキュラムにして授業時数を減らしながらも、総合学習が目的としている実践力が身に付く内容としたことだ。
「クロスカリキュラムでは、例えば、技術・家庭の授業中に作ったおもちゃを保育園に持っていき、子どもたちと一緒に遊ぶといった活動をしています。子どもに喜ばれるには何を作ればよいか、子どもたちとどうコミュニケーションを取ればよいのかと考える機会もあり、教科学習の要素がありながら、総合学習の活動もできます。本校では十数年前から福祉活動にも力を入れていたので、保育園や高齢者施設などの訪問先を確保しやすく、クロスカリキュラムの導入は比較的スムーズでした」(片倉先生)
教科学習の授業時数を一律に減らすことなく、必要十分な時間数を確保しながら、「生きる力を育成する」という目的の総合学習も取り入れる。両方を大切にしたカリキュラムは、保護者からも支持が得られた。
「保護者説明会などでは、教師が担当教科の学習内容を説明しました。カリキュラム作成のために、教科ごとに教師全員が参加して何度も議論し、更に外部への説明を考える過程で、私たち教師の間にも新しい理念が浸透していきました」(片倉先生)
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