だが、ただカリキュラムを新しくしただけでは、進学実績の向上には不十分だ。順天中学校・高校は、これを契機に新しい取り組みを次々に導入した。
系統学習では、これまでも実施していた課外指導で学習時間を確保する一方、授業を軸とした予習から復習までの学習の流れを確立させ、繰り返し学習による学力の定着を図った(図2)。
「週の初めには復習テストとして、前週分の学習内容の確認テストを行います。ここで合格点に達しなかったら、週末の放課後にリピート学習を行い、習ったことは確実に定着するようにしています。この取り組みは中学校全学年と、高校の一部の類型クラスで行っています」(片倉先生)
更に、中学校ではこの流れを生徒に習慣づけるためのツールの一つとして「時間管理ノート」(図3)を導入した。これは学習スケジュール帳ともいえるもので、1日1ページとして、その日の授業内容と理解度、宿題や家庭学習の内容、かかった時間などを書く。課題の提出日やテストの予定などを記入しておくことで、今日すべきことや、何を優先すべきかが明確になる。また、どんな勉強にどれくらいかかったのかを把握でき、生徒は時間の有効な使い方をつかんでいくというわけだ。
ノートの記入法は毎年改良が重ねられているが、発案者で中等部3学年主任の角田進先生は、以前にはなかった時間の記入などによって、生徒の学習スタイルをきちんと把握できるようになったと指摘する。
「ある生徒は、復習を1日1教科として入念にやった時期と、1日数教科を少しずつやった時期がありました。成績と照らし合わせると、後者の方法が成績が伸びていたんです。このノートを基に、生徒に合った学習法を具体的にアドバイスできるようになりました」
このノートは、現在、中学校で活用しているが、今後、高校でも内容を変えて、導入していく予定だ。
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