指導変革の軌跡 埼玉県川口市立 県陽高校「進路指導」
埼玉県川口市立 県陽高校

埼玉県川口市立 県陽高校

2006年に創立33周年を迎える。「地域社会のリーダーを育てる」を目標とし、実践的な英語指導や実用英語検定などの資格取得に力を入れる。また、カナダ、オーストラリア等のホームステイを奨励するなど、国際理解教育にも積極的に取り組む。

設立●1973年(昭和48年)

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)●約160名

06年度進路実績●共立女子大、大東文化大、拓殖大、東京経済大、東洋大、獨協大、立正大、創価大、帝京大、青山学院女子短大、大妻女子短大、共立女子短大など、大学・短大に延べ90名が合格。

住所●埼玉県川口市並木1-26-1

TEL●048-252-4138

WEB PAGE●http://www.sch.
kawaguchi.saitama.jp/
kenyo-h/


嶋津昌吾

▲川口市立県陽高校

嶋津昌吾

Shimazu Shogo

教職歴20年目。県陽高校に赴任して15年目。進路指導主事。「よき社会人として活躍できる生徒を送り出したい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡71


埼玉県川口市立県陽高校 「進路指導」

本音でぶつかる進路指導で早期の志望校決定を図る

● 実践のポイント
「進路カルテ」を活用し、2年次末までに希望進路の絞り込みを図る
教師・保護者間で進路指導方針の共有化を図り、足並みをそろえる
模擬面談、夏季進路対策講座等で推薦入試に必須の技能を身に付ける

進路を考える時期が遅れときにはフリーター率15%

 「あのとき、別のアドバイスをしていれば――」。懸命に指導をしていても、ときに自分の進路指導に疑問を持つことがあるのではないか。
  川口市立県陽高校は1学年4クラスと市内で最も小さい学校だ。生徒と教師の関係が密接で、手厚い指導をしてきた。しかし、進路指導については必ずしも満足できる状態ではなかった。
  「本人の希望で専門学校に進学した生徒でも、成績は十分大学を狙える者がいました。そうした生徒には大学進学を強く勧めるべきだったと考えることもありました」と、進路指導主事の嶋津昌吾先生は明かす。
  フリーター問題もあった。1学年の15%が進路未決定のまま卒業、という年もあったのだ。
  「すべての原因は、進路を考え始める時期が遅すぎることでした。本校の生徒には中学校までの基礎学力が身に付いていない者が多く、一般入試での大学合格はあまり望めません。推薦入試に間に合わなければ、結論を先に延ばし、一般入試に失敗すれば専門学校に進学するか、進路が決まらないまま卒業してしまう。それがフリーターを生み出すという悪循環に陥っていたのです」(嶋津先生)
  学年ごとに進路指導の方針が異なり、学年団と進路指導部との足並みがそろわない場面も見られた。早い段階から進路について真剣に考えさせると共に、教師が一丸となって指導する体制が必要だったのだ。


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