日本では少子高齢化が世界でも一、二を争うスピードで進んでいます。子どもの数が減少する状況で国家としての活力を維持するには、子ども一人ひとりの能力を高めるしか方法はありません。現在2%程度の高校中退率が、仮に5%や10%に跳ね上がった場合、極めて深刻な社会問題になることは間違いありません。
ですから、今のうちに一人ひとりをケアするバックアップシステムを整えてほしいと思います。そのコストは、実際に顕在化した問題を解決するのに必要な社会的コストに比べれば、ずっと安く済むはずです。
先生一人ひとりができることには、限りがあります。けれども「持続可能な社会」を念頭に置き、一人ひとりの能力を引き出し高め、そして生涯学習の基盤づくりにつなげていく。そうしない限り、日本の将来は危ういと考えていただきたいのです。
そのためには、学ぶ喜びと学習方法を身につけさせておく必要が生じます。無論、中退や不登校を可能な限り減らしていく努力が不可欠なことも言うまでもありません。
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