「歴代の先生たちの努力と生徒の頑張りに支えられた35年間でした」と、進路指導主事の河村泰親先生は言う。
愛知県立五条高校は、1972年創立の県西部を代表する進学校だ。当時、18歳人口の急増に伴い、県内に相次いで高校が設立された。多くの新設校と伍していくには、生徒の進路希望をかなえて地域の信頼を得ることが必要だ。そのためには、進学実績を上げなければならない。「汗と力を惜しむな」を合言葉に、創立当初から補習や課題提出などを精力的に行った。
その結果、第1期生から国公立大合格者数は50名を超え、創立15年を迎えた80年代半ばには、約250名が合格。90年代前半には約350名に達した(当時の生徒数は470名)。その後、少子化により生徒数はピーク時の3分の2に減ったが、現在も200名前後の合格者を出す安定した実績を上げている(図1)。
五条高校が30数年間、安定した実績を保っているのは、創立以来、進路指導の方針が一貫しているからだと、教務主任の貝沼功先生は言う。
「生徒と教師、保護者との心の交流を大切にし、生徒の進路希望をしっかりとかなえていく、それが本校のモットーです。学習指導と生活指導を両輪として、学習と生活を3年間記録させ、自己をモニターさせる。また、面談をこまめに行い、生徒や保護者と密に対話しながら、進路の方向性を定めていく。そうした指導が、今も受け継がれています。地域からは厳しい高校と思われているようですが、やるべきことをきちんとやらせることが、結果的に信頼につながっていると思います」
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