特集 高校教育の「不易と流行」


愛知県立五条高校

◎2006年に創立35年目を迎えた。「あかるく さとく たくましく」を校訓に、創立以来「地域に根ざした学校」づくりを進める。学習指導の徹底、生活習慣の確立を目指し、海部地区・西春日井地区の中核校として高い進学実績を実現。例年多くの高校が学校訪問に訪れる。

設立●1972(昭和47)年

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)● 約320名

06年度進路実績●06年度進路実績 国公立大には、名古屋大、名古屋工業大、京都大、大阪大、名古屋市立大など208名が合格。私立大には、青山学院大、慶應義塾大、早稲田大、南山大、同志社大、立命館大、関西学院大など延べ739名が合格。

住所●愛知県海部郡甚目寺町大字西今宿字阿弥陀寺56

TEL●052-442-1515

WEB PAGE●http://www.gojo
-h.aichi-c.ed.jp/

貝沼 功

▲愛知県立五条高校

貝沼 功

Kainuma Isao

教職歴25年目。五条高校に赴任して18年目。教務主任。「目的を持って一生懸命努力している生徒をできる限り応援したい」

河村泰親

▲愛知県立五条高校

河村泰親

Kawamura Yasuchika

教職歴24年目。五条高校に赴任して14年目。進路指導主事。「生徒には苦労して得られるものこそを大切にしてほしい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例2】


愛知県立五条高校

厳格な学習指導で進学実績を維持し地域の信頼を高める

「やるべきことをきちんとやらせる」指導で優れた実績を上げ、

地域における求心力を高め続けてきた五条高校。社会環境や

生徒・保護者の変化の中、30余年の間に何を変え、何を残したのだろうか。

厳しい学習指導で高い進学実績を維持

 「歴代の先生たちの努力と生徒の頑張りに支えられた35年間でした」と、進路指導主事の河村泰親先生は言う。

 愛知県立五条高校は、1972年創立の県西部を代表する進学校だ。当時、18歳人口の急増に伴い、県内に相次いで高校が設立された。多くの新設校と伍していくには、生徒の進路希望をかなえて地域の信頼を得ることが必要だ。そのためには、進学実績を上げなければならない。「汗と力を惜しむな」を合言葉に、創立当初から補習や課題提出などを精力的に行った。

 その結果、第1期生から国公立大合格者数は50名を超え、創立15年を迎えた80年代半ばには、約250名が合格。90年代前半には約350名に達した(当時の生徒数は470名)。その後、少子化により生徒数はピーク時の3分の2に減ったが、現在も200名前後の合格者を出す安定した実績を上げている(図1)。

 五条高校が30数年間、安定した実績を保っているのは、創立以来、進路指導の方針が一貫しているからだと、教務主任の貝沼功先生は言う。

 「生徒と教師、保護者との心の交流を大切にし、生徒の進路希望をしっかりとかなえていく、それが本校のモットーです。学習指導と生活指導を両輪として、学習と生活を3年間記録させ、自己をモニターさせる。また、面談をこまめに行い、生徒や保護者と密に対話しながら、進路の方向性を定めていく。そうした指導が、今も受け継がれています。地域からは厳しい高校と思われているようですが、やるべきことをきちんとやらせることが、結果的に信頼につながっていると思います」

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図1

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