―お二人は天文学のどのようなところに魅力を感じていますか。
ドーソン データを解析して画像をモニターに映し出す瞬間は、今でもわくわくします。電波観測の場合、光学望遠鏡のように銀河が光り輝いて見えるわけではありませんが、分子ガスがどのくらいのスピードでどの方向に向かって動いているのかが手に取るようにわかります。宇宙のダイナミズムを実感できることは最大の魅力です。
今年プラハで開催されたIAU(国際天文学連合)の総会で、ポスターセッション(展示発表)をしました。国際交流の機会を多く持つことができるのも、天文学のよいところだと思います。
鳥居 私も「NANTEN2」の設置のために、これまでチリに3回行きました。普段行けない場所で宇宙と向き合うのは、貴重な経験でした。
自分たちの手で観測装置をつくり、観測できるのも魅力です。最高の観測を行うには、物理・化学だけでなく工学的な知識も必要です。あらゆる分野の最先端を体感できることは天文学ならではの魅力ではないでしょうか。
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