未来をつくる大学の研究室 電波天文学・星の誕生
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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天文学の魅力
豊富な国際交流と科学の最先端に触れる喜び

―お二人は天文学のどのようなところに魅力を感じていますか。

 

ドーソン データを解析して画像をモニターに映し出す瞬間は、今でもわくわくします。電波観測の場合、光学望遠鏡のように銀河が光り輝いて見えるわけではありませんが、分子ガスがどのくらいのスピードでどの方向に向かって動いているのかが手に取るようにわかります。宇宙のダイナミズムを実感できることは最大の魅力です。

 今年プラハで開催されたIAU(国際天文学連合)の総会で、ポスターセッション(展示発表)をしました。国際交流の機会を多く持つことができるのも、天文学のよいところだと思います。

 

鳥居 私も「NANTEN2」の設置のために、これまでチリに3回行きました。普段行けない場所で宇宙と向き合うのは、貴重な経験でした。

 自分たちの手で観測装置をつくり、観測できるのも魅力です。最高の観測を行うには、物理・化学だけでなく工学的な知識も必要です。あらゆる分野の最先端を体感できることは天文学ならではの魅力ではないでしょうか。

高校生へのメッセージ
理工学全般の幅広い知識が必要
鳥居 最高の観測をするには最高の装置が必要です。ですから、天文学研究には工学の知識も必要なんです。天文学を志す人は、理学・工学にまたがる分野を偏りなく学ぶことが大切だと思います。学ぶことが多くて大変ですが、幅広い知識を得ることで、普段何気なく使っているさまざまなものについて、別の角度から考えることができるようになります。発想や視野を広げるためにも、幅広い分野の学問に挑戦してください。

 

ドーソン 私はイギリスの大学を卒業後、名古屋大大学院に留学して、この研究に打ち込んでいます。異なる文化や考え方に接するのは貴重な経験です。留学を通して視野を広げることも、良い発想を得るためには大切です。


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