青柳正美校長も、「教師は生徒に『目標のない努力はない。目標があるから頑張れる』と話しています。それは教師も同じです」と、目標を明確化することの大切さを強調する。
下妻第一高校は、旧制中学をルーツとする県内屈指の伝統校だ。元々「国公立大・現役志向」が強い土地柄でもある。生徒、保護者、そして地域のニーズが、結果としての100名という数値に集約されている。
そんな下妻第一高校でも、大学進学実績が低迷した時期があった。00年、01年と連続して、国公立大現役合格者数が50名台に落ち込んだのだ。
私立高校の台頭にも危機感を募らせていた下妻第一高校は、全校体制での学習指導、模試分析から面談までの流れのシステム化、進路指導と両輪である生活指導の徹底などを実践してきた(本誌03年10月号参照)。例えば、模試の分析結果を基に開かれる進学検討会には、学年団の全教師が参加。1学年約280名の生徒一人ひとりのデータを分析し、面談の資料を作成していった。こうして地道に築き上げてきた成果が近年、数値となって着実に花開いている。
「指導の流れがシステム化しているので、初めて進学校に赴任してきた教師でも、スムーズに指導ができます。また、これらの指導システムが形骸化せず、機能し続けているのは、形だけでなく、意義も含めて全教師に共有されているからだと思います」(3学年主任・岩田隆先生)
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