中学校の現場から 授業スタイル


愛知県犬山市立犬山中学校

少人数授業や少人数学級などを目指す「犬山プラン」を打ち出し、早くから独自の教育改革を進めてきた 犬山市。04年度、2学期制を導入し、「能動」「協働」「成就」をキーワードに一人ひとりの「感動ある学び」を目指す。

生徒数 ● 652名
学級数 ● 21学級

WEB PAGE●http://www.inuyama
-aic.ed.jp/kenchu.h.p/
index.htm

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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実践事例
愛知県犬山市立犬山中学校

グループ学習と一斉授業の融合で少人数教育の可能性を追求

 少人数授業は、「個に応じた指導」を重視する中学校では欠かせない授業スタイルとなっている。具体的にどのような指導が行われているのか、グループ学習や一斉授業を織り交ぜながら効果的な少人数教育を模索している犬山中学校の事例を紹介する。

習熟度別に分けず「学び合い」を重視

 2001年度、愛知県犬山市では全国に先駆けて、市独自で非常勤講師を採用し、市内の全小・中学校に少人数教育を導入した。新学習指導要領の施行を次年度に控え、「教え込む授業」から「生徒自らが学ぶ授業」への転換を図ることが目的だった。犬山中学校では、現在13名の教師が加配され、英語・数学で少人数授業を、理科でチームティーチングを導入している。

 犬山中学校の少人数授業では、1クラスを二つに分け、2名の教師がそれぞれのグループを受け持つ。グループは生活班や出席番号によって機械的に分け、幅広い学力層の生徒が混在するようにしている。一般的に、習熟度別にグループを分ける方が授業を効率よく進められると思われているが、数学科主任の岩田泰幸先生は、「初めから習熟度別学習ありきのスタンスは取らない」と強調する。

 「最初から習熟度別に分けてしまうと、下位グループの生徒は、スタートの時点で『自分はできない』と思い込んでしまいます。『自分も頑張れる』というモチベーションを高めることの方がより重要です」

 生徒同士が学び合う集団になるためにも、こうしたグループ編成は効果的だという。英語科主任の山本浩史先生は、「公教育の原点は、さまざまな生徒が混ざり合って、互いに学び合うことです。以前、習熟度別にしたこともありますが、同じ学力の生徒が集まると、互いに協力して高め合うことが難しかった。さまざまな力を持った生徒が集まることで、生徒が助け合いながら学習を進めるようになるのです」と言う。

 授業ではできるだけ多くの教師と接することができるよう、単元ごとにクラス内で担当教師を交代させている。授業進度を調整し、評価規準を統一する必要から、必然的に教師間のノウハウの共有が進み、指導力向上にもつながっている。

図

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