特集 変わる高校入試・中学校の指導
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【調査結果】

高校入試におけるPISA型学力の出題状況

「熟考・評価」「非連続型テキスト」の特徴と出題割合を見る

ベネッセ教育研究開発センターでは、
PISA型学力(読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー)を
測る問題が、高校入試においてどのように出題されているかを、
2005年度と2006年度の2か年分を調査した。その結果を報告する。

調査背景 「読解力向上プログラム」を受け高校入試の変化を調査

 2000年と2003年の2度に渡って、PISAの調査(OECD生徒の学習到達度調査)が行われた(図1)。

図1

「読解力(読解リテラシー)」では、日本は2回の調査とも2位グループではあるが、順位で見ると00年から03年で8位から14位に下がっている。
 この結果を受け、文部科学省は05年12月に「読解力向上プログラム」を発表し、PISA型読解力の向上を図るための指針を示した。「三つの重点目標」は次のようになる。


目標(1)テキストを理解・評価しながら読む力を高める取り組みの充実
目標(2)テキストに基づき自分の考えを書く力を高める取り組みの充実
目標(3)さまざまな文章や資料を読む機会や、自分の意見を述べたり書いたりする機会の充実


 これらは、元々苦手とする生徒が多い「自由記述」問題への対応と共に、PISAの設問の中で、従来の教育ではあまり徹底されなかった「熟考・評価」の部分や「非連続型テキスト(図やグラフなど)」を含むさまざまなテキストの読み取りに対応する内容と思われる。
 こうした背景の下、ベネッセ教育研究開発センターでは、現状の全国公立高校入試(一般入試)においてPISA型読解力(および数学的リテラシー・科学的リテラシー)がどの程度、どのような形で出題されているかの調査・分析を試みた。今回は、国語を中心に英語、社会を併せた3教科で読解力の分析、数学において数学的リテラシー、理科において科学的リテラシーの分析を、次ページ図2のような観点で行った。

図2

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