「読解力(読解リテラシー)」では、日本は2回の調査とも2位グループではあるが、順位で見ると00年から03年で8位から14位に下がっている。
この結果を受け、文部科学省は05年12月に「読解力向上プログラム」を発表し、PISA型読解力の向上を図るための指針を示した。「三つの重点目標」は次のようになる。
目標(1)テキストを理解・評価しながら読む力を高める取り組みの充実
目標(2)テキストに基づき自分の考えを書く力を高める取り組みの充実
目標(3)さまざまな文章や資料を読む機会や、自分の意見を述べたり書いたりする機会の充実
これらは、元々苦手とする生徒が多い「自由記述」問題への対応と共に、PISAの設問の中で、従来の教育ではあまり徹底されなかった「熟考・評価」の部分や「非連続型テキスト(図やグラフなど)」を含むさまざまなテキストの読み取りに対応する内容と思われる。
こうした背景の下、ベネッセ教育研究開発センターでは、現状の全国公立高校入試(一般入試)においてPISA型読解力(および数学的リテラシー・科学的リテラシー)がどの程度、どのような形で出題されているかの調査・分析を試みた。今回は、国語を中心に英語、社会を併せた3教科で読解力の分析、数学において数学的リテラシー、理科において科学的リテラシーの分析を、次ページ図2のような観点で行った。
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