ベネッセ教育研究開発センターが高校入試問題を分析した結果、 PISA型の学力を問うような出題が見受けられた。 一方、2003年度のPISA調査の結果を受け、 文部科学省は05年12月に「読解力向上プログラム」を策定した。 今後、中学校の教育はどのような変化を見せるのか。 それを受けて高校はどう対応すればよいのだろうか。
1. 「読解力向上プログラム」により 2つの変化が現れる
高校入試でPISA型学力を 問う出題の兆しが
◎弊社の独自調査によると、高校入試でPISA型の学力を問う問題が、国語だけでなく他教科でも、わずかだが出題されていた。各都道府県へのアンケートでは、PISA型の出題を「既に実施」「実施を検討」という回答も見られた。 【P.2「調査結果」】
中学校の教科指導が 変わりつつある
◎読解力を向上させるため、中学校では国語だけでなく全教科を巻き込んだ取り組みが始まっている。文部科学省は、指導事例集を配布したり、研修を充実させたりして、学校現場を支援している。 【P.4「変化する中学校教育」】
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2. 今後、生徒の学力・意識に変化が
3. 従来の教科指導をベースに新たな視点を
今回、先生方と共に考えたいテーマは 「現場での指導の再点検」です。
PISAの調査結果は、日本の児童・生徒の学力低下を裏付けるだけでなく、日本の学校の教育内容にまで影響を及ぼし始めています。しかし、生徒にとっては入試をクリアすることも非常に重要なことであり、入試対応学力とPISA型学力の両方の養成が中学校と高校の現場では求められるでしょう。すでに始まった中学校での授業の変化や高校入試の変化を受け、高校が何をしなければならないかを考えてみます。