特集 変わる高校入試・中学校の指導
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【教科事例・国語】

高校入試問題分析と今後の指導法

テキストの多角的な「読み」が読解力を高める

国語の高校入試では、複数の問題文を読ませ、受験者の理解を確認する、
意見や評価を求めるような出題が見受けられた。このようなPISA型の読解力を
身につけさせる指導について、国語科のベテラン教師にお話をうかがった。

情報の取り出しから評価・熟考まで求められる

 PISAの読解力は「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」と定義されている。今回、高校入試問題を「読解プロセス」「テキストの形式」の二つの観点から分析した。
 「読解プロセス」は次の五つのプロセスで構成されている。

(1)情報の取り出し
 質問文で与えられた情報を、その問題文にある言葉と同一あるいは同義の情報と一致させ、求められている新たな情報を見つけるために情報を利用しなければならない。

(2)幅広い一般的な理解の形成
 読んだ内容について幅広い一般的な理解を形成するために、読み手はテキストを全体として見るか、幅広い視野から考察しなければならない。

(3)解釈の展開
 読み手には、読んだ内容をより具体的に、または完全に理解できるよう、最初に受けた印象を広げることが求められる。課題では論理的理解を求めており、読み手はテキストの情報の構成を加工しなければならない。

(4)テキストの内容の熟考・評価
 読み手には、テキストの情報とほかの情報源からの知識とを結び付けることが求められる。テキストにある主張を自身の知識や経験と対比させながら、評価しなければならない。

(5)テキストの形式の熟考・評価
 読み手にはテキストから離れてそれを客観的に考察し、その質と適切さを評価することが求められる。


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