PISAでは、「読解力」のほかに、数学に相当する「数学的リテラシー」、理科に相当する「科学的リテラシー」について調査をしている。「PISA2000」および「PISA2003」では、日本の生徒はいずれも1位グループに入った。
PISA2003では、科学的リテラシーは「自然界および人間の活動によって起こる自然界の変化について理解し、意思決定するために、科学的知識を使用し、課題を明確にし、証拠に基づく結論を導き出す能力」であると定義されている。
このPISAの科学的リテラシーは、「科学的知識・概念」「科学的プロセス」「科学的状況・文脈」の三つの側面から構成されている。
このうち、科学的プロセスの観点から、06年度の高校入試問題を分析した。PISA2003科学的リテラシー調査で規定されている次の三つの科学的プロセスに基づいている。
■プロセス1 科学的現象を記述・説明し、予測する
プロセス1に分類されるのは、基本的な計算問題や知識問題で、科学的な知識が本質的に問われる。高校入試では、教科書等で扱う生物や現象などの名称、化学反応式や計算などが多く出題されている。例えば、滋賀県高校入試の大問2小問5(問題例1)などがあてはまる。
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