特集 変わる高校入試・中学校の指導
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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伝える場を必ず設けて目的意識を持たせる

 PISAは海外で作成された調査であり、そこで求められている力を育成しなさいと言われても、外圧のように感じる人がいるかもしれません。しかし、PISAでは、「読解の知識や技能を、生活の中でどれだけ活用できるか」ということを評価の対象としており、国語の学習指導要領に明記されている「目的に応じて的確に読み取る力」「自分の考えを持ち論理的に意見を述べる能力」などと通じるものがあります。指導が変わりつつあるといっても、全く新しい学習指導をするというわけではありません。
 ただ、これまでの指導との大きな違いは、読解力といっても国語のみにとどまらず、全教科に渡っての指導が必要になるということです。これまで読解力の指導というと、小説で登場人物の心情を読み取ったり、論旨を理解したりといった文学や論説等の読解が中心でした。しかし、現行の学習指導要領やPISAで最も求められているのは、生活のいろいろな場面で情報を読み取り、解釈・評価し、自分の考えを表現することです。国語が指導の中心を担うとしても、これは数学でも理科でも体育でも必要な力であり、全教科で取り組むことが重要です。
 もう一つの特徴は、伝える相手や伝える場を必ず設け、アウトプットさせるということです。相手に伝えるという行為があってこそ、情報を主観ではなく客観的に捉えて必要なものを取り出し、適切に解釈して考える必要性が生まれます。考える力を中心に、読む力、書く力を総合的に高めようとしているのです。


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