指導変革の軌跡 神奈川県・私立桐光学園 中学校 ・高校「学校改革」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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自由選択の「講習制度」で学習計画が柔軟に

 開校以来続く「講習制度」も同校の躍進を支える取り組みの一つだ。授業とは別に、主要5教科を中心に設けられた複数の講座の中から、学力や学習進度、興味・関心に応じて、生徒は自由に選択して受講できる。講座は、教師が「6年間持ち上がり」で把握した「どんな時期にどんなフォローが必要か」という生徒の実態を踏まえて設定されている。放課後の講習のほか、夏期講習や冬期講習などもあり、その数は約600講座(図2)。進路指導部長の中野浩先生は次のように述べる。
 「講習制度の良さは、生徒が学力不足の分野、伸ばしたい分野を自ら判断し、主体的に選べることです。客観的に自分を捉えられるようになり、更に自分で選んだという意識が学習意欲を高めます。一方、教師は、授業と講習とのセットで授業計画を立てられます。授業で割愛した内容、特定の生徒だけに必要な内容、学年全体の苦手分野などを、授業とは別の講習で教えることもできます」
 例えば国語。入試では、現代文の多くが評論文から出題される。そこで、授業では主に評論文を取り上げ、センター試験で出題される小説については「小説読解演習」で補う。また、数学や物理では、演習は講習で行うこととし、授業では説明に重点を置くこともできる。

図2

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