ほかにも、別学の女子クラスの設置など、数々の改革を行ってきた桐光学園中学校・高校。03年にはコース改革を断行し、学校として国公立大志向を鮮明にした。その背景には、不況による国公立大志望者の増加、そして1年生の中だるみ問題があった。
02年度、順調だった進学実績が一時低下した。過去の模試データを検証したところ、高1の7月から11月にかけての落ち込みが大きく、高2の7月まで続いていたことがわかった。それが高3まで尾を引き、入試に対する準備の遅れにつながっていたのだ。この中だるみの原因はクラス編成にあったと、伊奈校長は振り返る。
「本校は、高1進級時に国公立大を目指す理数科と、私立大を目指す普通科に分かれ、3年間固定したままでした。中高一貫の生徒は、中3までは上位クラスの理数科を目指して頑張りますが、高1でクラスが決まると、理数科に入った生徒は安心して勉強がおろそかになり、普通科の生徒は落胆して意欲を失う傾向が見られたのです。この傾向は高入生も同様でした」
そこで、03年度から理数科を廃止して、普通科に一本化。高1進級時には成績上位者のためのSAコース、その他のAコースに分けた。そして、高1時の成績に応じて、高2進級時には国公立大向けの文Ⅰ・理Ⅰコース、私立大向けの文Ⅱ・理Ⅱコースに振り分けるというシステムにした(図3)。更に文Ⅰ・理Ⅰコースには最難関大を目指す選抜クラスを設けた。
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