指導変革の軌跡 長野県望月高校「授業改革」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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大学中退者続出で授業の在り方を見直す

 この成果に、教師が安堵したのも束の間、04年6月、思わぬ事態が起きた。まさかと思っていた生徒が数名、大学に入学してからわずか3か月で中退してしまったのだ。その理由は「授業についていけない」だった。教師たちは、ただ大学に入れるだけではなく、大学での学習に対応できる学力を身につけさせなければだめだということを痛感した。教頭の皆戸康広先生はこう振り返る。
 「04年度からコース制が始まり、意欲の高い生徒が入学してくるようになりました。しかし、本校には進学指導に長けた教師が少なく、十分な指導ができていませんでした。04年度入試の成果も、進学校での指導経験のある教師が牽引したもので、校内で進学指導に対する理解が浸透していると必ずしもいえませんでした」
 そこで、04年度から公募制によって県内から進学校経験のある教師を募集することにした。現在1学年主任の臼田一彦先生は、公募制で同校に赴任してきた1人だ。「改革の意気が溢れる学校で、一緒に頑張って学校を変えていきたかった」と、臼田先生は赴任当時の思いを語る。
 進学校での指導経験のある教師たちを迎え、同校の改革は加速した。推薦入試の合格者にもセンター試験を受験させ、2月まで補習を行い、大学の勉強についていけるだけの学力を着実に身につけさせていった。05年度には、初めて校外模試を導入。また、教師の意識を高めるため、予備校の講師を招いて、国公立大の推薦入試の状況や勉強方法についての講習も行った。


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