データから見るSELHi校と一般校の英語教育 SELHi校の指導のポイントを読み解く
高田正規

▲ベネッセ教育研究開発センター特別顧問

高田正規



VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 1/10  次ページ

調査報告
データから見るSELHi校と一般校の英語教育
―「高校英語教育GTEC調査」より―

Chapter1【データによる考察】

SELHi校の指導のポイントを読み解く

今回、英語コミュニケーション能力の評価テストとして広く認知されている「GTEC for STUDENTS(英語コミュニケーション能力テスト:以下GTEC)」と合わせて、英語の活用度や英語学習に対する意識などの総合的調査を実施した。その分析を通して、SELHi校による英語能力を伸ばすための指導のポイントが見えてきた。

GTECで高いスコアを記録したSELHi校の生徒たち

 2002年度にSELHi事業がスタートして以来、指定を受けた各校は、生徒の英語力向上のためのカリキュラム開発や授業改善に取り組んできた。その成果は、GTECを受検した生徒のスコアからもうかがうことができる。
  GTECでは、生徒の英語コミュニケーション能力を、スコアによってG1からG6に分類している(図2参照)。一般校(非SELHi校)の場合、各県のトップクラスの進学校においても、G4以上の生徒の割合は6割弱程度というのが一般的だ。ところが、SELHi校においては、G4以上の生徒が9割以上を占めている高校も存在する。文部科学省は「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画()」を公表したが、SELHi校はまさに「使える英語」を身に付けるための効果的な指導を実践していると言えるだろう。
  ここでは、「なぜSELHi校の英語指導が成果を上げているのか」「生徒の英語コミュニケーション能力を伸ばすポイントはどこにあるのか」といった事柄について、今回の調査を基にSELHi校と一般校の比較分析を行うことで、明らかにしていきたい。これにより、一般校がSELHi校の成果を効果的に取り入れるためのヒントを抽出したい。

※2003年より始まったプロジェクト。詳細は「行政の考える英語教育」インタビュー記事参照
▼図1,図2 図1,2

  PAGE 1/10  次ページ