2002年度にSELHi事業がスタートして以来、指定を受けた各校は、生徒の英語力向上のためのカリキュラム開発や授業改善に取り組んできた。その成果は、GTECを受検した生徒のスコアからもうかがうことができる。
GTECでは、生徒の英語コミュニケーション能力を、スコアによってG1からG6に分類している(図2参照)。一般校(非SELHi校)の場合、各県のトップクラスの進学校においても、G4以上の生徒の割合は6割弱程度というのが一般的だ。ところが、SELHi校においては、G4以上の生徒が9割以上を占めている高校も存在する。文部科学省は「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画(※)」を公表したが、SELHi校はまさに「使える英語」を身に付けるための効果的な指導を実践していると言えるだろう。
ここでは、「なぜSELHi校の英語指導が成果を上げているのか」「生徒の英語コミュニケーション能力を伸ばすポイントはどこにあるのか」といった事柄について、今回の調査を基にSELHi校と一般校の比較分析を行うことで、明らかにしていきたい。これにより、一般校がSELHi校の成果を効果的に取り入れるためのヒントを抽出したい。
|