SELHi指定校レポート 京都府 私立立命館宇治高校
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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イマージョン教育が他科目の理解に与える影響

 こうしたイマージョン・プログラムを通じ、生徒はどのような成長を遂げるのか。
  「ネイティブの教師による英語の授業も、イマージョンプログラムも、すべて英語で行われるため、入学当初の生徒にとっては相当にレベルが高く感じられるのは事実です。しかし、英語の授業では、読む・聞くという大量のインプットを、書く・話すというアウトプットに換える作業を続けさせます。イマージョンプログラムでも、やはり積極的に発言の機会を与えます。それを続けることで、大半の生徒は夏休みを境に英語に対する拒否感が薄れ、学習に対して非常に積極的になります」(ウォルタース先生)
  その時期から、理解度が急速に向上すると共に、分からないことは分からないと、はっきりと意思表示する学習態度も身に付くという。
  SELコースの生徒の英語力の高さは、各種テストの結果に明確に示されている(スピーキングを含めた4技能の測定が可能なGTECも実施)。だが、SELコースは英語に多くの時間が割かれるため、他教科の時間は普通コースに比べて少ない。更に、英語で授業を行うことでも、その理解度には差が生じないのだろうか。
  その点に対し、岡本先生は、「導入後間もないため、今後の検証が必要」と前置きしながらも、「今のところはマイナスには作用していない」と説明する。
  「英語・国語・数学について、SELコースと普通コース(文系)の3年次の校外模試の結果を比べたところ、英語はSELコースの生徒が1.5倍の得点を収めていた一方で、国語、及び数学は、ほぼ同等の結果でした。この結果だけですべては論じられませんが、少なくともイマージョン教育が大きなマイナス要素となっていないと言えると思います」


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