SELHi指定校レポート4 広島県 広島県立尾道東高校
広島県立尾道東高校

広島県立尾道東高校

「自主・自律」を校訓に掲げた、約100年の歴史を持つ伝統校。広島県内における英語教育拠点校として、独自の学校づくりに邁進している。SELHi研究の実績も高く評価されており、2004年には文部科学省主催「『英語が使える日本人』育成のためのフォーラム2004」において、文部科学大臣表彰を受けた。

設立●1909年(明治42年)

形態●全日制(普通科)/共学

生徒数(1学年)●約240名(うち国際教養コース約40名)

05年度入試実績●国公立大には大阪大1名、名古屋大1名、神戸大1名、大阪外国語大1名、岡山大4名、広島大1名など56名が合格。私立大には、早稲田大1名、青山学院大3名、同志社大4名、立命館大10名、関西大15名、近畿大17名、京都産業大14名など延べ355名が合格。

住所●広島県尾道市東久保町12-1

電話●0848(37)7137

URL●http://www.onomichihigashi
-h.hiroshima-c.ed.jp/

島田歓二

▲広島県立尾道東高校校長

島田歓二

Shimada Kanji

教職歴32年目。尾道東高校に赴任して2年目。「教育の『育』の部分を重視し、育てるべき生徒像を明確にして、指導することを心掛けています」

弓手博

▲広島県立尾道東高校教頭

弓手博

Yumite Hiroshi

教職歴37年目。尾道東高校に赴任して4年目。「日本語の上手な曙や小錦、朝青龍に、外国語上達の秘訣をお聞きしてみたいですね」


広島県立尾道東高校

田辺尚子

Tanabe naoko

教職歴11年目。尾道東高校に赴任して4年目。広島県英語エキスパート教員。02~04年度SELHi研究主任。「存在自体が英語教師であり続けたいと思いながら指導しています」


淀川幸子

▲広島県立尾道東高校

淀川幸子

Yodokawa sachiko

教職歴17年目。尾道東高校に赴任して3年目。05年度~SELHi研究主任。「モットーは“Be positive!”日々、生徒の成長を励みに授業改善を目指しています」

近藤正

▲広島県立尾道東高校

近藤正

Kondo tadashi

教職歴18年目。尾道東高校に赴任して4年目。教育研究部長。尾道学担当。「尾道の良さを知っていただくために、尾道ラーメンを是非食べにきてください!」

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SELHi指定校レポート case study 4
広島県 広島県立尾道東高校

英語に満ちた環境づくりと語るべきことを培う
多角的なアプローチ

普通の高校の普通の生徒の挑戦

 中国地方有数の観光都市・尾道市にある広島県立尾道東高校。だが、生徒たちの日常生活には外国人と触れ合う機会はほとんどなく、また校内に帰国子女や留学経験者も皆無である。広島県立尾道東高校は、島田歓二校長が言う通り「郊外にある、ごく普通の高校」だ。しかし、そんな尾道東高校も02年度にSELHi指定を受けてから大きく変化し始めた。
  「本校は、伝統校としての復活を狙う学校改革の一環として、英語力強化を目標に掲げ、02年度に国際教養コースを新設しました。これがSELHi指定の受け皿となったのです。しかし、国際教養コースとしての実績も全くない状態からのスタートだったので、正直、教師の側にも多少の不安はありました」(島田校長)
  言わばゼロからのスタートだった尾道東高校のSELHi研究。特別な環境、素地を持たないごく平均的な生徒と共に何ができるのかを検討した結果、尾道東高校が取り組みの根幹としたのが、生徒に「英語があふれる環境づくり」であった。
  国際教養コースでは、英語の授業はもちろん、ホームルームでも、教師はほとんど英語しか使わない。しかも、ネイティブと同程度のスピードだ。これは「初めから本物を与えることが大切」という尾道東高校の方針の表れだ。
  「もちろん、ただ英語で話せばよいのではなく、最初はナチュラルスピードで話したあと、少しゆっくりしたスピードでもう1回繰り返し、それでも理解できていない生徒がいるなら、キーワードだけを日本語にしてもう1回行うなど、生徒が理解できるよう配慮しました。『全部日本語に訳してほしい』などの声も挙がりましたが、数か月すると生徒も慣れてきました」(02~04年度SELHi研究主任田辺尚子先生)
  授業では、1分間スピーチ、発音指導、ジャーナルライティングなど、さまざまな手法を活用。グループワークも多用しながら、英語4技能の総合的な向上に努めていった(図1)。更に、「政治・経済」「家庭一般」ではイマージョン教育も実施。講師は英語が母国語でない人を選び、欧米人の話す英語だけが英語ではないこと、英語はあくまでコミュニケーションの道具であることなどを、生徒に体感させていった。

図1

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