高知西高校では、指導の成果を、複数のテストを使い分け、さまざまな観点から測定している。
各学年の最初には、英語コミュニケーション能力測定テスト(CASEC)、11月にはGTECを受検し、過年度比較の分析に加え、英語科と普通科の差についても分析している。また入学時、1年終了時、2年終了時には、全米外国語教育協会「ACTFL」の評価基準を参考にして学校独自で作成したスピーキングテスト、ライティングテストを実施している。スピーキングテストの内容は、その場で提示されたテーマの中から一つを生徒が選び、3分間話し続けるというもの。入学時には、満足に話せない生徒が大部分だが、1年終了時には、ほとんどの生徒が3分間を使い切って話せるようになっているという。
これらのテスト結果や授業で取り組んだ課題などは、生徒一人ずつがポートフォリオ形式でファイルにまとめている。教師のコメントや成績を見ながら自分の不足点を分析し、今後の学習方法を生徒自身で考えられるようにするためだ。生徒の英語に対する学習意欲を保ち、学習効果を向上させるために効果的だという。
05年度は、SELHi指定校として最終年に当たる。3年間を振り返って、山田先生は「スキルを養成する指導スタイル、英語量を確保する授業、そして生徒が発信するコンテンツ、その三つを計画的に織り交ぜたシラバスの実現の可能性が見えてきたと思います」と評価する。また、SELHi指定を機に、これまで学年別で開催していた教科会が全学年共通の研究会になるなど、教師同士の連携意識も深まってきた。
「肝心なのは、SELHiの指定が終了した後も、この取り組みを継続していくことです。どんな目標を設定し、どんな評価基準を採用したかを体系化・明文化して残し、共有して今後に引き継いでいこうと思います」(山田先生)
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