香住丘高校では以上のような技能指導の実践の成果を、さまざまな到達度指標に照らし合わせて検証している。その中でも特徴的なのが学習意欲・動機付け調査・分析だ。これは清泉女子大学講師の長沼君主氏と共同で行った生徒の意識調査とGTECとの相関関係の分析を行い、英語学習の意欲と学習効果の関係を考察したものである。SELHiクラスと非SELHiクラスを比較することにより、学習意識と学習効果の関連について分析する検討会が年2回実施されている。
図2はさまざまな動機付け分析データの中で、特に「興味動機(言語文化)」について抽出したものであるが、SELHiクラスは非SELHiクラスに比べて、言語文化への高次の興味の度合いが高い数値で推移することが明らかになっている。3年間継続した研究を通して、生徒は英語に対する肯定的な価値観や態度を示し、高い学習意欲を保持し、またGTECスコアとの間にも歴然とした相関関係があることが証明された。
このようにGTECスコアに学習意欲と動機付け調査データをリンクさせることで、学習者の意識面での理解を深めることができたのは、理論者(=大学研究者:長沼氏)と実践者(=香住丘高校教員)が乖離することなく3年間の経年研究が進められたためである。
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