国語科との連携
(1)読み方の指導
文章を読むという点では、英語科、国語科の両教科で共通するところがある。以下の1)~3)の点を留意したインターラクティブリーディングをそれぞれの教科の授業で実施する。
1) 文と文、段落と段落のつながりを意識し、文章全体を理解する指導を行う。
2) キーワード・キーセンテンス・言い換え表現・つなぎ言葉を意識し、確認しながら読ませる。
3) 内容を読み取るための発問方略を立てる。
(2)教材
英語・現代文のそれぞれの教科書の題材が主であるが、はじめは日本語と英語共通の教材(天声人語)を用いる。日本語も英語も筆者の主張がありその主張をサポートするための文があること、その文章展開を理解すること、また全体把握のための要約の仕方は同じようにできるのだということを、生徒に理解させる。ある程度この作業に慣れたころを見計らい、天声人語から離れ、普段から使用しているテキスト、さらには各大学の入試問題も用いる。
(3)授業の流れ
1) 現代文の授業
まず現代文の授業で天声人語の文章を読解し、文章のキーワード、キーセンテンスを見つけ、文章の要約(150語程度)を行う。キーワード、キーセンテンスの抜き出し方や、要約の仕方は、現代文の授業で一通り学習する。要約後、自分たちの書いた要約の点検をグループで行い、それからクラス全体に向かって発表する。教科書の題材も同じような流れで行う。
2) 英語の授業
天声人語の教材に関しては、現代文での授業の1週間後くらいに、英語で書かれた同じ題材の天声人語を読解し、上記1)と同様にキーワードなどの抜き出しをおこなう。英語の場合、文章全体の流れを把握するために、フローチャートあるいはテキストマッピングを用いる。文章を図式化することにより、文章全体の構図を認識するだけでなく、文と文、段落と段落のつながりの理解、文章が論理的に展開されていることの認識ができる。英語の授業では、基本的には日本語で要約を行うが、時には英語での要約も行わせる。その後まず要約の確認をクラス全体で行う。そして、テキストをできるだけ見ずに、自分でまとめたテキストマッピングやフローチャートを見ながら、本文の流れを日本語、英語の順番で説明させる。説明は、まずペアワークで行い、最終的にはクラスの前で発表させるという形を取る。教科書の題材でも同じような流れで行う。
添付資料3-1 フローチャートを使用した生徒のプリント例
添付資料3-2 フローチャートを使用した生徒のプリント例
添付資料4 生徒の要約作業プリント例
添付資料5 生徒のテキストマッピング例
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