耳塚 自ら学習に向かおうとしない生徒に対して、学習量を確保するためにどのような取り組みを行っているのですか。
飯島 本校では3月末に行う入学準備会で、「教科学習の手引き」を配り、春休みの課題を出します。入学後には手引きを使って学年集会で教科別に学習方法を指導し、更に各教科の最初の授業でも予習や復習の仕方を説明し、定着を図っています。
赤藤 本校では1年生の4月に各教科の最初の数時間を使い、予習の仕方から教えています。それでも、自ら予習をする生徒は数少ないです。ただし、予習ですべきことを宿題として与えるときちんとやってきます。主体的に勉強するのは難しいですが、教師に言われたことには素直に取り組む。そこで、予習の内容を週末課題にするなど、生徒が自然と予習をするような仕掛けを工夫しています。
渡辺 本校も予習を生徒の課題として位置づけています。4年前から予習を中心とした授業へ転換し、予習を前提に授業を進めています。
耳塚 言われたことにはきちんと取り組むという生徒の気質を踏まえて、強制的に学習習慣をつけておられるのですね。
渡辺 入学後に予習の仕方を指導し、シラバスも活用しています。どういう予習をしてくればよいのか、予習をしてくるのが前提の授業をするということが明示されているため、生徒に、「予習していかないとまずい」という危機感を与え、定着を図っています。しかし本校の場合、教科書ガイドを使う生徒が増えてしまいました。予習中心の授業の目的の4割は授業の準備をさせるため、6割は初見の問題を主体的に考えさせるためです。教科書ガイドで安易に答えを見つけてしまうと、そうした狙いを根底から覆すことになります。基本的に教科書ガイドは使わない、使う場合は復習など事後に活用するよう指導しています。このような課題はありますが、家庭学習の時間を維持すると同時に、難しい問題でも粘り強く考えようとする生徒が増えてきていると思います。
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