言われたことはまじめに取り組むが、自ら積極的には学習しない――。姫路飾西高校の生徒のそうした傾向は、学習時間に端的に表れている。1、2年生の平均家庭学習時間は60分強で、1時間未満の生徒が22%いる。定期考査前でも、全く学習しない生徒がいるという。そこで、1年生から学習合宿や放課後学習、指名補習を徹底して行い、生徒に机に向かう習慣をつけさせようとしている。
重要な役割を果たすのは、国数英の週末課題だ。課題は、国語では、授業が現代文のときは授業の補完として古文を、数学は授業の復習をメインに、英語は予習的な内容としている。2学年主任の赤藤千鶴先生は「単に予習をしなさいと言っても、生徒は何をしてよいのかわからないから勉強しないだけ。やることがはっきりしていれば、宿題も嫌がらずに取り組みます」と指摘する。
「言われたことはする」生徒にとって、こうした指導は抵抗なく受け入れられるようだ。2005年度入学生の学年末の学校評価アンケートでは、「学校の良かった点」として、「学校行事」「友人」を抑え、「週末課題」が1位だった。理由には「休日に勉強するようになった」「勉強しなくてはならない環境がよかった」などが挙がっていた。強制的な課題でも、学習によって得られた結果が「やればできる」という自信につながっていることがうかがえる。 |