生活指導の徹底で落ち着きを取り戻した同校だが、恒常的に抱える課題として、成績上位層の島外への流出がある。特に難関大や医学部を狙える中学生ほど、長崎市などの本土の高校に進学する傾向がある。島嶼(しょ)地域に位置する同校にとって、難関大への進学保証は、入学生確保のためにも重要だった。
生活習慣が確立した今こそ、学力向上への取り組みを加速するときである。同校は、学習習慣の確立と家庭学習時間の確保に取り組み始めた。
「家でじっくり本を読んだり、学習の時間を確保している生徒は、年々減っています。難関大を狙える力を持っているにもかかわらず、1年次の中間考査期間中の自宅学習時間がゼロだった生徒もいるほどです。1年次のうちに学習習慣を確立することが急務でした」(原先生)
そこで、半期に1回程度実施していた学習時間調査を、毎日記入させるようにした(図2)。学期に1回、学年ごとに集計し、全体動向を分析。学力検討会で話し合い、週末課題の出し方や分量等の方針を決めた。1学年主任の辻俊郎先生は、次のように述べる。
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