一連の取り組みによって進学実績が向上していることは、冒頭に述べた通りだ。上位層の島外への流出も横ばいの状態となった。新入生の4月の宿泊研修が定着した今では、高校生活への移行もスムーズになっているという。
近年は、中学校の指導改善と同校のPRを兼ねた中高連携も本格化している。数年前から地元中学校の教師を招いて公開授業を行ってきたが、05年度からは、高校の現状や中学での指導など、授業以外のテーマについても情報交換を行うようになった。
今後の課題は、「大学進学に対する低学年からの意識付け」と森先生は述べる。
「本土の進学校と比べれば、本校の生徒はまだスタートダッシュが遅い。他校の生徒との交流や、進路に関する情報を交換できる機会も少なく、1、2年次から気軽にオープンキャンパスに参加することもできません。現在、本校では1年次4月の宿泊研修で長崎大を見学させていますが、今後は、このような取り組みをもっと増やしたいと考えています。早い時期から進路の意識付けを行うことで、更に高い実績につなげていけるのではないかと思います」
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