指導変革の軌跡 大阪府・私立啓光学園 中学 ・高校「進学実績向上」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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面談の充実により進学意識の向上を図る

 面談で生徒に示す具体的なデータは図1だ。「入学時偏差値と卒業時合格校」(図1A)を見ると、入学時の偏差値が50に届かなかった生徒が、数多く難関大に合格している。志望校のB判定偏差値との差が10以上もあった先輩たちが、その逆境を乗り越えて希望進路を実現させたことが一目でわかるのだ。
 すぐに結果を求めたがる生徒には、「成績を伸ばすためにかかる時間」(図1B)の項目を示す。2~5か月目までは伸び悩んでいた生徒が、6か月目以降に成績を大幅に上昇させる例は少なくない。現時点で模試の成績が悪くても、根気よく勉強に取り組めば合格につながることを、実際の先輩のデータで生徒に実感させる。更に、卒業生と当該年度の学年を比較したデータ(前ページ図1C)で、卒業生より成績が良いことを示し、より高い目標に挑戦する意欲をかき立てる。

図1

 06年度からは、2年次9月の進路ガイダンスの直後に「事後指導ワークシート」(図2)の記入を始めた。2学年主任の笠松貴宏先生は、導入の経緯を次のように述べる。
 「進路ガイダンスのあとは、生徒の気持ちが非常に引き締まり、学習意欲も高まります。それを持続させるために、1週間後のホームルームで、ガイダンス内容を振り返るワークシートに取り組むようにしました」
 ワークシートでは、ガイダンスのポイントを明らかにさせ、それらを守っているか、守れていなければ改善点は何かを考えさせる。その上で「先輩の実績を見て、感じたことは何か」「自分にもできそうか」など、生徒が自ずと「実現できそう」「頑張れそう」と書き込める設問にしている。無意識のうちに受験に対する自信や意識を高めていくというわけだ。
 また、その時点での志望校・学部・学科を書かせ、生徒がどの程度受験を理解しているかをわかるようにし、その後の指導に生かしている。笠松先生は「この時期になっても志望校を絞りきれていない生徒も少なくありません。入試に対する理解の深さや、志望の傾向がわかるので、面談で集中的に対応できるようになります」とそのメリットを語る。

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図2

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