特集 公立中高一貫校から学ぶ中高連携

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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中高合同の授業研究を進める

  理数科の存在やSSH指定によって、理数科目を中心にチームティーチングを実施するなど中高連携が図られている同校だが、教科部会は原則として中高合同で開催し、授業研究会も合同で実施するなど、学校全体の連携も確実に進んでいる。
 「中学校では各学期に2回、生徒指導協議会が開かれますが、そこでは、高校の教師が中学校の教師に対して、1期生の現状を説明しています。中学校の教師にとっては、『自分たちが指導をした生徒が、高校入学後どのように成長し、そしてどのように評価されているか』を知る、貴重な機会となっています」(副島教頭)
 今後、教科指導はもちろん、より多面的に中高の教師の連携を深めたいと、中高双方の教師は考えている。
 「教科指導に目が向きがちですが、生活指導があっての教科指導ですから、中学校ではここにもっと力を入れたいですね」(小部先生)
 「中学生の早期の文理選択を受けて、保護者への情報発信や、高1段階での面談の充実など、ミスマッチを予防し、修正する手立てを講じたいです」(荒木先生)
 高校の指導目標を踏まえて中高一貫校としての指導を確立し、中高の教師の連携を進める同校だが、その一方で、川﨑校長は「中学生と高校生の発達段階にも目を向け、違いは違いとして尊重した、よりきめ細かい指導を構築したい」と展望を語る。中学校と高校の「有機的な連携」と「独自性の維持」の共存を同校は目指している。


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