この枠組みの中、「洛北らしさ」を打ち出しているのが、中学校では独自教科、高校では学校設定教科の「洛北サイエンス」(注1)だ。仮説・実験・検証などの体験学習を通して、課題解決の科学的手法を身につける。
中学校では、先端技術に幅広く触れさせ、生徒の学習意欲を高める。
「前期と後期に各3週間の『洛北サイエンスウイーク』を設け、京都大やオムロンなどと連携して、実験・実習や講演会、施設見学を行います」(西村先生)
文部科学省のSSHの指定校である同校では、中学校での学びを発展させ、数学・理科という教科の枠にこだわらず、隣接する分野との関連を図りながら学べるカリキュラムにした。また、「総合的な学習の時間」では高大連携で大学レベルの講義や実験を体験する。その中で、生徒は興味に合った課題を選んで研究を深め、プレゼンテーションにつなげる。
「サイエンス」というコンセプトは同じでも、中学校ではさまざまな素材を与えて知的好奇心を育て、高校では自ら課題を見つけて内容を深めるという、生徒の発達段階に応じた指導の役割分担を明確にしている。
「高校の学習内容を、中学校に下ろし、発展と位置づけて授業することもあります」と西村先生が言うように、綿密な計画に基づき、系統立てたカリキュラムが組まれている。
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