特集 公立中高一貫校から学ぶ中高連携

京都市立西京高校・西京高校附属中学校

◎2003年度に西京商業高校から西京高校に校名を変更し、未来社会創造学科エンタープライジング科を設置。04年度には附属中学校を併設する。研究者や企業人による「エンタープライズ講演会」や、中国・上海での「アジアフィールドワーク」など、多様な教育を展開。

設立●高校:1886(明治19)年、附属中学校:2004(平成16)年

形態●高校:全日制(未来社会創造学科エンタープライジング科)、定時制(普通科)/共学

生徒数(1学年)●高校:約280名(内進生3クラス、外進生4クラス)

06年度進路実績●高校:国公立大には滋賀大、京都大、京都教育大、神戸大、大阪府立大、大阪市立大など106名が合格。私立大には京都産大、同志社大、立命館大、関西大、関西学院大など延べ330名が合格。

住所●京都府京都市中京区西ノ京東中合町1

TEL●075-841-0010

WEB PAGE●http://www.edu.
city.kyoto.jp/hp/saikyo/

※同校の取り組みはVIEW21高校版2004年6月号でも紹介しています


村上英明

▲京都市立西京高校教頭

村上英明

Murakami Hideaki

教職歴28年目。同校に赴任して4年目。「自分で考え、行動し、責任が取れる自立した生徒を育てたい」

平林秀二

▲京都市立西京高校附属中学校

平林秀二

Hirabayashi Hideji

教職歴22年目。同校に赴任して3年目。教務主任。「生徒の言葉に耳を傾け、心に潤いと良い変化を願う」

小西毅彦

▲京都市立西京高校

小西毅彦

Konishi Takehiko

教職歴15年目。同校に赴任して3年目。「大学合格は大切。でもそれがゴールではないと生徒に伝えたい」


*本文中のプロフィールはすべて取材時(07年3月)のものです

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例・5】 専門学科が母体の一貫校

京都市立西京高校・西京高校附属中学校 ◎ 併設型(04年度に附属中学校を併設)

専門学科を母体として、中高が発達段階に応じた指導を行う

2004年度、京都市立西京高校附属中学校が開校した。高校への接続を意識し、中学校ではどのような教育プログラムを組んだのだろうか。そして高校は、中学校での指導をどう受け継ぎ、どう生かそうとしているのか。

エンタープライジング科を設置する

  西京高校・附属中学校がほかの中高一貫校と異なるのは、高校に普通科ではなく、専門学科「未来社会創造学科エンタープライジング科」を設置している点だ。同科は社会のリーダーとなる人材育成を目指し、英語運用能力や情報活用能力、プレゼンテーション能力などを磨き、独創性やチャレンジ精神、国際社会や経済への鋭い感性を養うことを狙いとする専門科目を設置する(図1)。同時に、社会のリーダーとなるためには高等教育が不可欠という考えから、大学進学を前提とした授業を展開する。村上英明教頭はこう語る。
 「本校では、高校卒業までに25単位の専門科目を履修しますが、志望校に合格できる学力も十分身につけられるカリキュラムになっています。ただ、限られた時間の中で多くを生徒に求めることになり、3年間の負担が大きいという懸念がありました」
 そこで発案されたのが、附属中学校の設置だ。同校が目指す人材を中高の6年間の教育の中でじっくり育てようというわけだ。同校は、エンタープライジング科を開設した03年度に、中高一貫開設準備室を設置。1年間の検討期間を経て、04年度に西京高校附属中学校を開校した。

図1

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