特集 公立中高一貫校から学ぶ中高連携
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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中高の間を取り持つ「通訳」が必要

――では、中学校と高校が意義のある連携を進めるためには、何が必要とお考えですか。

 

三浦 まずは中学校と高校が、互いを知り合うことです。ただ、併設校でもない普通の中学校と高校が、互いを理解し合うことは並大抵のことではありません。授業一つをとっても、高校の教師がいきなり中学校の授業を見学して、その意味を理解するのは難しいでしょう。

 

浦崎 私が中学校に赴任して2か月ほど経ったころに、研究授業の担当となりました。2か月の経験があったので、中学校の教科書の内容も流れもある程度わかっていると自負していたのですが、最初につくった指導案は事前研究会で全面書き直しを命ぜられました。
 そもそも、「活動」「出口」といった中学校独特の用語の意味がわかっていなかったのです。高校の教師が中学校の授業を見るのは、字幕なしで外国語の映画を見るようなものだと思います。中高連携には、背景まで含めて互いの言語や文化を説明できる「通訳」のような存在が必要だと痛感しました。

 

副島 「中高をつなぐ通訳」といった意味では、中高一貫校がその役割を担えるかもしれません。致遠館中学校の教師の半数は、致遠館高校からの転籍者です。高校の方針を踏まえた上で、中学校の指導をしています。もちろん、教師文化も指導に対する考え方も違いますから、最初は戸惑いがあります。しかし、そうした経験を積んだ教師が中学校から高校へと持ち上がっていけば、中高の「架け橋」となる人材になってくれるのではないでしょうか。

 


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