特集 公立中高一貫校から学ぶ中高連携
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「地域のために」と中高の心を一つにする

浦崎 通訳のような専門性がなくても、第三者を交えることで、中高連携をスムーズに進めることができるかもしれません。中学校と高校だけで進めようとすると、互いの違いばかりが見えてしまい、かえって相互不信を招きかねません。
 例えば、地域の方に第三者として間に入ってもらってはどうでしょうか。「公立校として、地域のために何かしなくてはならない」「地域のために役目を負っている点では、中学校も高校も同じ土俵にいるんだ」ということに、学校も気づくのではないでしょうか。それぞれが自分の役割を自覚できれば、どのように連携していくべきかという話し合いもスムーズに進むように思います。

 

――中学校と高校とが互いの役割を自覚することが、連携の第一歩になるということでしょうか。

 

副島 私は、05年度に静岡で開催された中高連携に関する研究協議会に参加しました。そこでは、西伊豆地区の中学校と高校の教師が集まり、地域の教育をどう改善していけばよいかという視点で、中高連携の方法を模索していました。
 このように、地域で課題を共有して、互いを知り合う機会を設けることは大切です。そうでなければ、顔を合わせる機会もありません。公開授業を実施したり、中学校の先生が高校で授業をしたり、互いの手の内をさらけ出す場を意図的に設けるべきでしょう。

 

三浦 保護者に意見を聞くのも効果的だと思います。本校では毎年秋に保護者アンケートを行っていますが、そこでは毎回厳しい意見が寄せられています。あまりに辛口な言葉にショックを受ける新任教師もいますが、私はそれでもよいと思います。それだけ保護者は学校を見てくれているという証拠であり、そういう保護者こそ、今後、学校に協力してくれる方だと思うのです。

 

副島 本校の地域でも、保護者間の情報交換はかなり密に行われています。保護者の意見を吸い上げることで、学校に対する要望をつかむことができるでしょう。

 

三浦 地域との結びつきは、中高連携に、絶対欠かせません。私たちは公立校の教師であり、「良き社会人を育てる」という使命があるからです。そのためには、中高が協力して、将来を支える人材を育成していくという発想を持つことが大切です。学校と生徒、地域が参加できる、中高連携の多様なシーンをつくっていきたいと思います。

 

――本日はありがとうございました。

 

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