指導変革の軌跡 愛知県立西春高校「進学実績向上」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 2/13 前ページ  次ページ

生徒の志望に応じて志望校の代替案を検討

  全体検討会には、3年生の担任全員と校長、教頭も参加して、Pランク、西春ランキング・ボーダーにそれぞれ照らし合わせ、生徒の志望や夢などの情報を考慮しながら、志望校の合否判定をしていく。
 生徒の志望校に本人の学力が届いていない場合は、代替案を考えることも全体検討会の重要な議題だ。「A大でも同じような研究をしている」「その資格はB学部でも取得できる」など、教師全員で知恵を出し合い、生徒の志望に沿いつつ、本人が納得できるような代替案を考える。入試科目や過去問にまで目を通して、合格可能性を探ることも珍しくない。生徒指導主事の上島昌之先生は、次のように話す。
 「募集要項の入試科目に『小論文』と書いてあっても、その内容は実は英語の試験のようだったということもあります。過去問をチェックして、その生徒が解けるかどうかまでを、教科担当の意見も聞きながら精査していくのです。さまざまな教師が参加して知恵を出し合うことで、担任の負担は軽くなりますし、いろいろな選択肢を生徒に提示できます」
 担任は学校全体で考えた選択肢であるため、自信を持って生徒に伝えられる。生徒も、学年団の教師が考えて調べてくれた上で提示された大学とわかるだけに、前向きに受け止められるという。

column 基礎・早朝テスト


 地元の中学生にも知られているという基礎・早朝テストは、開校以来続く同校の伝統的な取り組みだ。1、2年生を対象として、毎週火曜日と木曜日に、国数英をローテーションで行う。採点は当日の昼までに行い、得点が70%以下の生徒は翌朝追試を受けることになっている。
 基礎学力の定着が目的だが、生徒は最低1時間、早朝テストのために自宅学習を行っているという。「真の狙いは学習時間の確保にあります」と江口先生は明かす。生徒からも「基礎力が身についた」「自宅学習のモチベーションにつながった」など高い評価を得ている。


  PAGE 2/13 前ページ 次ページ