改革の成果は、合格者数の推移に顕著に表れている(図2)。改革1年目の98年度入試で、国公立大合格者数は146名に、名古屋大、南山大の合格者も、前年度比で約2倍となった。その後も、着実に実績を上げ続け、近年は首都圏・関西圏の難関私立大の合格者数も増えている。
「進路実績を背景に、入学者の学力層も年々上がってきています。また、基礎・早朝テストや補習、週末課題など学習面でも手厚い指導を心がけていることで、入学後の生徒の満足度も非常に高いことを感じます」と江口先生は手応えを語る。事実、同校の生徒の通塾率は10%程度。名古屋市内から電車で30分圏内にある高校としては、低い通塾率といえるだろう。
わずか数年で地域の進学校としての評価を確立した同校だが、更なる飛躍を目指し、新たな取り組みを始めている。
「近年、国公立大合格者数は200名前後に達しており、その9割は現役生です。1学年320名の学校で、これ以上数字を伸ばすことは難しいでしょう。今後の課題は、引き続き名古屋大の合格者数を伸ばすと共に、東京大、京都大、医学部や首都圏・関西圏の難関私立大などの合格者数を増やすことです。そのためには、単に補習や学習時間を確保するだけではなく、指導の質的な向上を図って、2次試験の配点の高い超難関大にも対応できる学力を身につけさせる必要があると考えています」(高木先生)
05年度には、それまでの50分授業を65分に延長し、より深い学習ができるようにした。また、3年生のみだった校内模試を1、2年生でも行い、06年度には学習・補習体制を強化し、2次試験に対応できる学力の増強に努めている。
「『屋根を修理するのは晴れているとき』という言葉があります。進学実績が順調な今だからこそ、新しい取り組みにチャレンジしていくことが大切であり、それこそが本校の発展につながると思います」(江口先生)
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