指導変革の軌跡 神奈川県・私立 横浜隼人中学・高校「進学実績向上」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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草の根的な取り組みが全校的な制度に発展

 この間、同校の躍進を支える重要な取り組みが始まった。放課後補習と早朝テストである。いずれも担任教師の草の根的な活動から始まり、全校的なシステムに発展した。進路指導主任の奈良信之先生は、その経緯を説明する。
 「生徒数が急増した際、本校は多くの若手教師を採用しました。その中でも熱心な教師が、担当以外の教科も含めて個別に補習をしたのが、現在の放課後補習の始まりです。99年度の90分授業の導入を機に、制度として整えました」
 同校では、水・金曜日は50分授業で6限まで、月・火・木曜日は、1・2限目を50分授業、3・4限と5・6限は2コマ続きの90分授業として終了時間を早め、70分授業の7限目を設けて補習に充てている。
 教科は、1年生は国数英の3教科、2、3年生は理社を合わせた5教科だ。1年生は、各教科とも上級・中級・初級と習熟度別に講座を設定。2年生では文系数学、古文、漢文などと細分化し、3年生ではセンター試験対策やMARCH(注1)対策の講座など、志望大・学部に応じた講座を設けている。学期の初めに日程を伝え、生徒自身に講座を選ばせる。教科によっては補習用シラバス(図1)を配り、事前に講座の目的や内容を伝え、生徒が目的に合った講座を選びやすいようにしている。

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図1

 受講はあくまで生徒の任意だ。鈴木校長は、「受験勉強だけでは、社会で必要とされるコミュニケーション力や忍耐力は身につきません。部活動や委員会活動、ボランティアなど、さまざまな経験を通して人間的に成長してほしいと考えます。補習が終わってから部活動をする生徒も多く、部活動と勉強を両立した生徒ほど良い結果を出しています」と話す。

注1:明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大のこと


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