指導変革の軌跡 京都府立東宇治高校「学校改革」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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学ぶ習慣を身につける「アカデミックサタデー」

 こうした体制と理念を土台とし、同校は次々と新しい取り組みを行った。目玉は「アカデミックサタデー」で、毎週土曜日の午前中、主要教科の補習を中心に、講演会や資格取得試験、調べ学習、自習を行うというもの(図1)。年35回あり、その時間中は原則として部活動は行わない。各講座の担当には有志の教師約20名と教師OBがあたり、卒業生が自習監督を行うこともある。4月の実施第1週目には開講式を行い、ねらいや位置づけなどを生徒に自覚させる。
 内容は学期ごとに伝え、生徒は事前に参加を登録する。例えば、補習は、1、2年生では国数英を中心に基礎と発展を、3年生では理社を加えて大学入試に対応した内容となる。
 特徴は、2、3年生を中心に自習時間を多く設けた点だ。総務企画部長の笠谷卓生先生はこう説明する。
 「補習などで教えている方が、教師としては安心ですが、大切なのは自ら学ぶ習慣を身につけることです。1年生にとっては自習をするのは難しいことですが、2、3年生になると、補習を受けるよりも、むしろ進んで自習する生徒が増えてきます」
 アカデミックサタデーを始めてから、土曜日も学校で勉強することが当たり前という雰囲気が定着してきた。任意の活動にもかかわらず、平均して75%の生徒が参加していることからも、意識の高さがうかがえる。
図1

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