学習時間の確保、学習習慣の定着に効果を上げているユニークな取り組みが「進路社」だ。学校で自習をしたい生徒のために平日は20時まで校舎を開放。部活動に準ずる活動として位置づけ、登録した生徒に対して「延長自習」を許可するというものだ。進路指導部長の吉川孝先生は、「『進路社』には『志を持つ者の集まり、自分に責任を持つ』という意味合いが含まれます」と話す。
生徒は、「出勤簿」に出社・退社の時間を記入する。02年度当初は40名だった登録者は進学実績の向上と共に増え続け、06年度には140名となった。
「登録者は主に3年生で、部活動の引退後に学校で自習をしたいという生徒です。先輩のそんな姿を見て、次は自分たちの番だという意識が高まっていることが、登録者の増加につながっていると思います。04年度からは2年生も参加するようになりました。勉強は大切だということが、各学年に浸透していることを感じます」(吉川先生)
監督する教師がいるわけでもないのに、自習室はしんと静まり返っている。また、出勤簿をチェックすれば累計の学習時間がわかるため、「出勤」した生徒にとって大きな自信と励みになっているという。 |