特集 「多様化」する保護者にどう対応するか

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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2.保護者の実態に合わせ、情報発信の方法、内容、回数を変えていく

◎日程、ツールなど取り組みを細分化

 保護者会の出席率の向上は、各校とも課題に挙げていたことだ。保護者会は、学校の指導方針を伝えて理解を得る重要な場だが、どうすれば、足を運んでもらえるようになるのか。
・地域に出向く―学区をいくつかに分け、公民館などを借り、教師がそこに出向いて保護者会を行う。
・土日や平日夜の開催―共働きの家庭では、平日昼間の保護者会に仕事を休んでまで行くのは難しい。土日、夜など、日時にも配慮したい。
・子どもの志望別に開く―国公立大、私立大、就職など、子どもの希望進路によって保護者が知りたい情報は異なる。より深い話をしたいときに、志望別保護者会を開くのも効果的だ。
・1年間に複数回実施―時期に応じた具体的な話ができるというメリットがある。要点が絞られていれば、保護者の頭に残りやすい。
・学年通信やウェブサイトを活用―重要な情報は何度発信してもしすぎることはない。学年通信やウェブサイトでこまめに情報発信し、保護者の目に留まるようにする。保護者会不参加の保護者へのフォローにもなる。

◎保護者がメリットを感じられる情報を

 学校ならではの情報を伝えることは、保護者の関心を学校に向けさせるきっかけとなる。その情報にメリットを感じるようになれば、学校への信頼感や求心力も高まるはずだ。
・大学や企業の多面的な情報を提供―安易な進路選択を防ぐために、プラス面・マイナス面を含めて、大学や企業の情報を伝える。
・子どもの状況を客観的に伝える―模試やスタディーサポートなどを使い、成績や学習状況、進路意識を客観的に伝える。自分の子どもと比較できる全国データなども提供する。
・学校での学習の意義―授業は受験勉強、そして社会へとつながっていることを伝える。
・生徒と同じ話をする―親子で話を共有できるよう、同じ内容にしたい。

◎入学直後の接触を強化

  生徒と同様に、保護者にも早期からの意識付けが重要だ(手法は今月号の「生きたデータの見せ方・つくり方」参照)。子どもが中学生のころは、学習は塾任せという保護者が少なくない。「高校生の保護者」になってもらうためにも、高校のスタイルに早く慣れてもらうことが必要だろう。
 まずは、合格者登校日や入学式など、多くの保護者が集まる行事での情報発信を大切にしたい。学校方針や指導内容以外にも、家庭での子どもとの接し方や保護者会の意義・開催時期などを具体的に伝えると、学校への信頼度が増すだろう。


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